原状回復のガイドライン
原状回復とは?
原状回復とは、借主の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、借主の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること。
次の入居者を確保する目的で行う設備の交換、化粧直しなどのリフォームについては経年変化および通常使用による損耗等の修繕であるため、貸主が負担すべきとしている。
※ガイドラインは、あくまでも「指針」であって、当事者に対し何ら法的拘束力を及ぼすものではない。
「トラブルの未然防止」のためのガイドラインとして取りまとめたものです。
1 賃貸人・賃借人の修繕分担表
Ⅰ 原状回復条件
(ただし、民法第90条及び消費者契約法第8条・第9条・第10条に反しない内容に関して、下記Ⅱの「例外としての特約」の合意がある場合は、その内容によります。)
(ただし、民法第90条及び消費者契約法第8条・第9条・第10条に反しない内容に関して、下記Ⅱの「例外としての特約」の合意がある場合は、その内容によります。)
1 賃貸人・賃借人の修繕分担表
賃貸人の負担となるもの | 賃借人の負担となるもの | |
【床(畳・フローリング・カーペットなど)】 | ||
1.畳の裏返し、表替え(特に破損していないが、次の入居者確保のために行うもの) 2.フローリングのワックスがけ 3.家具の設置による床、カーペットのへこみ、設置跡 4.畳の変色、フローリングの色落ち(日照、建物構造欠陥による雨漏りなどで発生したもの) |
1.カーペットに飲み物等をこぼしたことによるシミ、カビ(こぼした後の手入れ不足等の場合) 2.冷蔵庫下のサビ跡(サビを放置し、床に汚損等の損害を与えた場合) 3.引越作業等で生じた引っかきキズ 4.フローリングの色落ち(賃借人の不注意で雨が吹き込んだことなどによるもの) |
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【壁、天井(クロスなど)】 | ||
1.テレビ、冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(いわゆる電気ヤケ) 2.壁に貼ったポスターや絵画の跡 3.壁等の画鋲、ピン等の穴(下地ボードの張替えは不要な程度のもの) 4.エアコン(賃借人所有)設置による壁のビス穴、跡 5.クロスの変色(日照などの自然現象によるもの) |
1.賃借人が日常の清掃を怠ったための台所の油汚れ(使用後の手入れが悪く、ススや油が付着している場合) 2.賃借人が結露を放置したことで拡大したカビ、シミ(賃貸人に通知もせず、かつ、拭き取るなどの手入れを怠り、壁等を腐食させた場合) 3.クーラーから水漏れし、賃借人が放置したため壁が腐食 4.タバコのヤニ、臭い(喫煙等によりクロス等が変色したり、臭いが付着している場合) 5.壁等のくぎ穴、ネジ穴(重量物をかけるためにあけたもので、下地ボードの張替えが必要な程度のもの) 6.賃借人が天井に直接つけた照明器具の跡 7.落書き等の故意による毀損 |
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【建具等、襖、柱等】 | ||
1.網戸の張替え(特に破損はしてないが、次の入居者確保のために行うもの) 2.地震で破損したガラス 3.網入りガラスの亀裂(構造により自然に発生したもの) |
1.飼育ペットによる柱等のキズ、臭い(ペットによる柱、クロス等にキズが付いたり、臭いが付着している場合) 2.落書き等の故意による毀損 |
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【設備、その他】 | ||
1.専門業者による全体のハウスクリーニング(賃借人が通常の清掃を実施している場合) 2.エアコンの内部洗浄(喫煙等の臭いなどが付着していない場合) 3.消毒(台所・トイレ) 4.浴槽、風呂釜等の取替え(破損等はしていないが、次の入居者確保のために行うもの) 5.鍵の取替え(破損、鍵紛失のない場合) 6.設備機器の故障、使用不能(機器の寿命によるもの) |
1.ガスコンロ置き場、換気扇等の油汚れ、すす(賃借人が清掃・手入れを怠った結果汚損が生じた場合) 2.風呂、トイレ、洗面台の水垢、カビ等(賃借人が清掃・手入れを怠った結果汚損が生じた場合) 3.日常の不適切な手入れもしくは用法違反による設備の毀損 4.鍵の紛失又は破損による取替え 5.戸建賃貸住宅の庭に生い茂った雑草 |
Ⅱ 例外としての特約
原状回復に関する費用の一般原則は上記のとおりですが、賃借人は、例外として、下記の費用については、賃借人の負担とすることに合意します(ただし、民法第90条及び消費者契約法第8条、第9条、及び第10条に反しない内容に限ります。)。
(括弧内は、本来は賃貸人が負担すべきものである費用を、特別に賃借人が負担することとする理由。)
原状回復に関する費用の一般原則は上記のとおりですが、賃借人は、例外として、下記の費用については、賃借人の負担とすることに合意します(ただし、民法第90条及び消費者契約法第8条、第9条、及び第10条に反しない内容に限ります。)。
(括弧内は、本来は賃貸人が負担すべきものである費用を、特別に賃借人が負担することとする理由。)
トラブルを未然に防ぐために入退去時のチェックリストを作成して,
事実関係を明確にしておくことが大切です。(物件の状況を細かく記入して、写真を撮ったりするなど)